【2019/02/18】北京の炭素市場、各機関の計算能力が向上

情報源:人民網

日時:2019年2月18日

記事ポイント:

清華大学、マサチューセッツ工科大学、武漢大学などがネイチャーの子誌「Nature Climate Change」にこのほど、最新の研究成果を共同発表した。それによると、2012-15年の間に、北京市の炭素排出権取引市場が初めて導入した400軒以上の機関が自己報告したデータと、第3者機関が調査によって導き出したCO2(二酸化炭素)排出データの差が平均17%から平均4%に低下した。各機関が自ら作成した排出報告書のミスの数は、平均3.7個から1.9個に減少した。北京市の炭素市場の各機関の炭素計算及び報告の能力がいくらか上がった。北京日報が伝えた。

中国生態環境部(省)が発表した公式情報によると、中国気候変動事務特別代表の解振華氏は昨年12月10日、生態環境部と世界銀行などが共催した「中国パビリオン気候変動会議」において、「2018年10月現在、中国の地方炭素取引テスト事業7省・直轄市の炭素排出権取引量は2億6400万トンで、取引額は約60億元(1元は約16.4円)にのぼった」と明らかにした。

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【2019/01/23】重度の大気汚染、予報の的中率がほぼ100%に

情報源:人民網

日時:2019年1月23日

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中国生態環境部(省)が21日に開いた記者発表会において、国家大気汚染防止難関攻略連合センター副センター長、中国工程院院士の賀克斌氏は、「中国の重度汚染の予報は現在、3日前から3-5日前に延長されている。汚染傾向の予報は7日前から7-10日前に延長されており、的中率は100%に近い。これは、正確で科学的な煙霧対策の基礎を築いている」と述べた。科技日報が伝えた。

統計データによると、中国で現在まで建設されている区・県大気質観測地点は3500カ所以上で、中東部各省の各区・県をほぼ網羅しており、国・地域・省級・都市という4級の大気質予報体制を大まかに構築している。汚染物質排出重点企業8188社が汚染源自動モニタリング施設を設置しており、生態環境機関と連結している。全国の自動車排気ガス検査機関6133社が、国家・省級・都市の3級と連結しモニタリングを行っている。各地の自動車に設置されているリモートセンシング検査・測定設備は639台(セット)にのぼる。

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【2019/01/29】世界の気候変動対策には力を合わせた行動が必要

情報源:人民網

日時:2019年1月29日

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1月に入り、気候変動問題に国際社会の注目が高まっている。世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で最も注目された話題の1つは気候変動だった。国連安保理は25日、気候災害が世界の平和と安全保障に与える影響を話し合う公開会合を開き、気候変動を緩和するために積極的な行動を取るよう呼びかけた。北欧のフィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランドは先日、力を合わせて気候変動対策を強化し、「カーボンニュートラル」目標の速やかな実現を目指す旨の気候変動対策共同声明を発表した。

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【2019/02/02】タクシーに搭載し、走行中に上海市のPM2.5を測定

タクシーに搭載し、走行中に上海市のPM2.5を測定

 

今年の秋・冬、大気汚染が深刻化しているなか、PM2.5のモニタリングが再び注目された。一般的に、PM2.5に対するモニタリングのデータは、政府が設置したモニター端末から収集されている。モニター端末は固定場所に設置されており、上海を例にした場合は6340平方キロメートルの面積における国家レベルの常時観測端末は10箇所あり、市レベルの常時観測端末は16箇所ある。

上海市同済大学譚洪衛教授チームが進めているタクシーモバイルプラットフォームの粒子状物質モニタリングプロジェクトは2017年12月より試行していた。第1陣はタクシー30台が1秒毎に観測データを取得し、一日で市街地の車道98%以上をカバーしたのであった。PM2.5とPM10を同時に観測し、位置とモニタリングデータをリアルタイムで伝送することで、タクシーを大気観測の新たなプラットフォームとした。これには高精度車載粒子状物質モニタリングシステムを利用し、設備はレーザー検査・測定の原理に基づき、タクシーのルーフに取り付けられた。高温・高速・振動・強風・雨雪などの過酷な環境にも影響されないと言う。

「モニタリング端末によって密集した町やコミュニティー空間を覆い尽くし、リアルタイム性の高いPM2.5モニタリングを実現したい。」と考えた同済大学譚洪衛教授チームは、この三年間に設備をドローンに搭載,自動車に搭載、そして固定点での三位一体の都市空気環境空間モニタリングネットワークを構築する発想をした。それと同時に山東大学の司書春副教授のチームからも支持を取得した。

同済大学緑色建築及び新能源研究中心 常務副主任,同済国際緑色産業創新中心 センター長 譚洪衛教授

山東大学 司書春副教授

譚洪衛教授は、「タクシーモバイルプラットフォームの粒子状物質モニタリングにおいては、毎日大量の都市地面空気環境データの収集が可能となり、都市に於ける大気汚染防止の詳細管理に対して技術支援が提供出来る。たとえば、建築現場の近くや工場エリア,飲食店町等々においては、リアルタイムにPM2.5を測定し、これによって環境保護部門は迅速にこの対象となる建築物に対して空気環境質量の監督管理を強化させる事が出来、また測定値に応じた対策を実施することが可能となる。これは固定モニター端末では実現できない良いアイデア。」だと言っている。

すでに、「タクシーモバイルプラットフォーム粒子状物質モニタリングの自主研究開発は成功し、済南、上海の一部分のタクシーにおいて運営を開始した。

(図:赤い点が固定モニタステーション、青い線は移動式モニター)

(図: 環境モニター端末で測定したデータを紹介している譚洪衛教授)

さらに「タクシーモバイルプラットフォーム粒子状物質モニタリングシステムを通して、都市空気汚染の1年を通じ季節を通した傾向が把握しやすくなった。譚洪衛教授チームは測定したデータに基づいて、「上海に於ける四季時間ごとのPM2.5濃度図」を作った。

(図:上海に於ける四季の時間ごとのPM2.5濃度図)

タクシーモバイルプラットフォーム粒子状物質モニタリングシステムのデータに基づいて、上海に於ける、PM2.5濃度の特徴が明らかになった。人口密度及び工場立地などの関係により、「都市中心から郊外にかけては次第に減少する」と言う傾向にはなっておらず、おおよそ「都市と郊外は同じで、東は西より良い」と言う結果になった。また、平日混んでいる道路のPM2.5の濃度は周辺地域と比べてさほど高くなかった。これらの特徴は、今まで行ってきた固定点でのモニタリングステーションでは導き出せなかったと言える。

(図:上海に於ける日ごとPM2.5濃度、2018年1月)

譚洪衛教授は「タクシーモバイルプラットフォーム粒子状物質モニタリングシステムにより、室外空気質量に対するモニタリングを行うと同時に、室内空気質量の研究にも取り組んでいる。現在室外定点モニタリングから始まり、移動モニタリング(都市公共交通、シェア自転車)、そしてドローンを使った空中巡回モニタリングまで、地面から空中まで立体的な環境モニタリングネットワークを作って、居住環境の改善のために力を尽くす。」と言っている。